こんにちは、「民事再生ドットコム」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。
個人再生は、ご自身の借金の総額を約５分の１まで大きく減額することを裁判所に認めてもらい、その減額した借金を原則３年間で完済して解決する手続きになります。５分の１というと５００万円の借金であれば、なんと１００万円まで圧縮することが出来ますので、その強力な減額の効果が理解できると思います。
しかし、個人再生の手続きを取ると個人情報が官報に掲載されてしまいます。官報が何かを知っている方も少ないと思いますが、政府が発行している機関紙で、政府が国民に報告したい情報をいろいろと載せています。
今回のコラムでは、個人再生で官報に掲載される期間はいつまでなのか、また掲載のタイミングについても債務整理に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
この記事を読むと、個人再生と官報の関係についての正しい知識を身に付けることができますので、ぜひ最後までご覧になってください。
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個人再生の手続きを取ると官報に個人情報が掲載されます。
今回の記事では、個人再生が官報に掲載される内容や期間、掲載されるデメリットなどについて詳しく解説いたします。
そもそも官報とは何でしょう？
官報とは、政府がほぼ毎日発行する機関紙のようなもので、新しい法律の内容や公務員の人事異動の情報などが掲載されています。そして、個人再生や自己破産をした人の情報も掲載されます。
債務整理には任意整理という手続きもありますが、任意整理は個々で返済計画を結びますので官報には掲載されません。個人再生や自己破産をした情報が官報に掲載される理由は、これらが裁判所を通じた手続きであることと、すべての債務が整理の対象になりますので、影響が大きいという理由からになります。
官報に掲載される情報とは？
官報に掲載される個人情報としては、個人再生した人の住所と氏名になります。
ちなみに生年月日などの個人情報が載ることはありません。
官報に掲載される期間とは？
残念ながら、個人再生や自己破産をするときに官報への掲載を拒否することや、一度掲載されてしまった情報を消すように依頼することは出来ません。
官報に掲載される内容は同じですが、どの位の期間に渡って官報に掲載されるかは、官報の形態によって異なるので以下を参考にしてください。
インターネット無料版
官報は、インターネット上で誰でも無料で閲覧することができます。ただし、無料版だと過去３０日分しか閲覧することができませんので、それより前の官報は閲覧することが出来ません。
インターネット有料版
インターネット版の官報には、実は有料会員バージョンもあり、月額２２００円を支払えば有料会員になれて、過去の官報も検索することができます。
なお、一般の方で解約している方はほとんどいないと思いますし、仮に金融機関とかは契約してるかもしれないけど、個人情報を漏らすことは絶対にしない職種になりますので、ここから個人情報は漏れることはないと思います。
書面版
書面版の官報の場合、大きな図書館などでは長期間にわたって保管されるから、半永久的に閲覧できることになってしまいます。ちなみに国会図書館では、１８８３年発行の官報第１号から閲覧することが可能です。
しかし、紙の場合にはキーワード検索することができないので、誰かの情報をチェックしようと思ったら１号ずつ物理的に読んでいくしかありません。
官報に掲載されるタイミング
個人再生の場合には、①裁判所が手続きを開始したとき、②再生計画案の決議をすると決定されたとき、③再生計画が許可されたとき、の３回官報に掲載されます。
それぞれ掲載される内容は少し違いますが、個人情報として住所と氏名が掲載されることは同じになります。
官報に掲載されることのデメリットとは？
官報に個人情報が掲載されるデメリットは、まず官報に個人情報を掲載するのに、おおむね１万円から２万円ぐららいの費用がかかります。
次が官報は誰でも閲覧することができますので、個人再生や自己破産をした情報を誰かに知られてしまう可能性がありますは。
しかし、官報なんて誰も見ていないと思っても基本的に問題ありません。友人や知人に官報経由でバレるリスクはゼロではありませんが、個人再生や自己破産で得られるメリットのほうが遥かに大きと考えていていいでしょう！
官報に掲載されることの最後のデメリットとして、闇金などから営業をかけられる可能性があるということを知っておいて欲しいです。個人再生や自己破産をすると、約５年から７年ほどは新たな借り入れができなくなりますので、その点をついた闇金や詐欺グループが営業をかけてくることがあります。
それでは、ここまでで今回の記事の「個人再生で官報に掲載される期間はいつまで？掲載のタイミングとは？」というテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした。
